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法相宗ってどんな宗教?お墓は必要なの?

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仏教大国の日本には、今でもたくさんの宗派があり、あまり聞きなれない宗派もあるかと思います。
もちろんその宗派によって、考え方や価値観に違いがあり、また葬儀やお墓でもそれぞれしきたりや特徴に違いがあります。
そこで今回は、日本の宗派の中でも「法相宗(ほっそうしゅう)」をご紹介します。
法相宗とはどんな宗教なのか、またそのお墓についてくわしくご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

法相宗の開祖について

法相宗は奈良時代に誕生した宗教です。
仏教の中でも「奈良仏教系」に当たる宗派で、法相宗のほかに律宗や華厳宗があります。
法相宗は全ての奈良仏教系の中でも、成仏するために座禅や念仏を唱えるなどいろいろな修行が必要だと考えられている宗派です。
もともとは中国の唐時代の大乗仏教宗派の一つで、インドから西遊記で知られている「玄奘三蔵」が帰国後に伝えました。
その後、玄奘の弟子にあたる慈恩大師基がその教えをもとに開いたのが法相宗。
別名「唯識宗」「慈恩宗」とも呼ばれていて、玄奘へ師事した道昭が宗祖と言われています。

法相宗の修行と教えについて

法相宗は「唯識論(ゆいしきろん)」という思想を研究することが目的の宗派です。
この「唯識」とは、「ただ(唯)、識(心)だけが世界に存在する」という意味で、この世の中にあるすべてのものは心が創り出したものであるという考え方。
そして、「法相(ほっそう)」は、存在自体のあり方を指す意味があります。
それぞれの肉体の存在現像だけでなく、私たち人間がどのように存在現象を認識しているのか、という唯識論の研究のもと、最終的にこの世に存在しているすべてが「識(心)」に過ぎないと考えられているのです。

私たちは目で自分の手を見た時に、それを「自分の手」と認識します。
ここで、「自分」と「手」という二つをそれぞれ別に考えてみると、「手」は自分の目で見ることができます。
それに対して、「自分」は視覚で確認ができず、言葉の響きだけそこに存在するものです。
このような考え方から、法相宗では仏教の根底にある「自分は存在していない」という無我の境地に至ることができると考えられているのです。

法相宗にお墓は必要なの?

法相宗をはじめとする奈良仏教系の宗派では、法事や葬儀を行わないという特徴があります。
奈良時代から続いている宗派の多くは檀家制度が生まれる前の宗派のため、そもそも檀家を持ちません。
そのため、現在法相宗の僧侶が亡くなられた場合は、浄土宗などのほかの宗派のお寺で葬儀を執り行います。
お墓も葬儀を行った宗派の墓地や、霊園などの宗派や宗旨不問のところへ埋葬する形となります。

<まとめ>

法相宗は哲学的思考の強い、「自分」は「心」に存在するものという考え方の宗派です。
檀家制度が確立される以前から存在していたため、経済的にひっ迫した歴史もあります。
しかし、現在では国宝の阿修羅像が展示されている興福寺を始め、その文化遺産の数々をこの目で見ることができますよ。
観光スポットとしても大人気ですので、ぜひ奈良時代から続く法相宗の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

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