国産の石の中でも、最高級品として有名なのが本小松石。
同じく国産最高級の石材である庵治石とよく並べられ、「東の横綱の本小松、西の横綱の庵治石」と呼ばれることもあります。
今回は、そんな本小松石の魅力について詳しくご紹介いたします。
本小松石の特徴とは
本小松石(ほんこまついし)は、神奈川県舞鶴町で採石されている石です。
今から約40万年も昔に、箱根の火山が噴火した際の溶岩が急速に固まったできた石であり、輝石安山岩の扱いになっています。
近年は舞鶴以外で採れた石も小松石と呼ばれることが増えてきており、他の小松石との区別をつけるため、舞鶴で採石されているのを本小松石、それ以外の地域で採石されるのを新小松石と呼ばれるようになりました。
最高級石材の庵治石と並んで、東の横綱と呼ばれる高い品質を持つ本小松石は、源頼朝、北条家、徳川家康など名のある歴史上の人物の墓石材に使われてきました。
このように奈良時代から人気があった石として、最近では文豪の芥川龍之介の墓石材にも本小松石が使われています。
墓石だけでなく、江戸城、小田原城、皇居の石材にも本小松石が採用されており、現代までその形を留めていることから、品質の高さと耐久性に優れていることを物語っています。
本小松石の種類について
同じ本小松石でも、その色合いや品質によって大きく3種類に分類されています。
・青目材(特級品)
青目材は、灰色の中に緑がかった高級感のある色合いです。
経年によって色の変化が起こりにくく、その中でも芯に近い部分は「大トロ」と呼ばれています。
さらに、硬質な上に粘り気が強いという、高品質の石の代表的な特徴を網羅している石なのです。
この大トロと呼ばれる所以は、縞目が強いという点。
流れるような縞模様は石材の中でも珍しく、独特の風合いを生み出しています。
しかし、青目材は全体の採石量の中でも1割に満たない高級品ですので、墓石の中でも価格が高く設定されています。
・赤混じり(1級品)、赤目材(2級品)
灰色の色合いの中に赤みがある本小松石です。
特級品とくらべて経年劣化が進みやすく、色変わりしやすい石と言われることも。
しかし、きちんと研摩することで本小松石の魅力である、きめ細かい綿密な肌に仕上がります。
実際、本小松石の中でも赤混じりのものを使っているお墓も多く、その経年による色彩の変化を楽しみたい方におすすめ。
年齢を重ねることで見た目が変化する、まさに生きている石として、見る人に情緒を感じさせるのも人気の理由です。
<まとめ>
本小松石は、特有の色味や縞目の流れるようなラインが魅力ですが、それと同時に加工技術が優れた石材店に依頼しないと、本来の良さが出にくい石でもあります。
お墓は家と同じく一生に一度あるかないかの大切な買い物ですので、安く施工ができるからというだけで選ぶのは、後に後悔する結果になりかねません。
必ず石材店に足を運び、自分の目で見て信頼できる業者に本小松石のお墓を建立してもらいましょう。