こんにちは。工事部の公平です。
浄土宗の開祖である法然が亡くなった後それぞれの解釈や考え方の違う複数の宗派に分かれていった宗派の一つ「時宗」を紹介します。
時宗の教え
時宗は鎌倉時代に生まれた浄土宗の宗派の一つで開祖は一遍(いっぺん)で、神奈川県藤沢市の「清浄光寺(遊行寺)」が総本山。
一遍は浄土真宗の開祖である親鸞の「阿弥陀仏を信じて念仏を唱えた時に初めて極楽浄土に往生できる」という考えに対して、さらに「信仰の有無を問わずに南無阿弥陀仏佛と唱えれば、極楽浄土に旅立つことができる」と説きました。
これを「他力念仏」と言い、極楽浄土での往生を強く望んだ一遍は生涯「南無阿弥陀佛決定往生六十万人」と書いた「名号札」を人々に配り続けました。
また、一遍はお盆祭りで私たちが踊る盆踊りの元を作った人物としても有名。
鉢を打ち鳴らしながら「南無阿弥陀佛」と唱える「踊り念仏」の継承者であった一遍は、この踊り念仏を行いながら全国を遊行したのです。徐々に変化してお盆になると人々が踊る盆踊りの元になったと言われているのです。
時宗のお墓
時宗のお墓は浄土真宗のものとほとんど違いがありません。
そのため、幹石の部分に「南無阿弥陀佛」と彫刻されることが多く、家名はそれよりも一段下の部分に入るのが一般的なデザイン。
また、最近では和型だけでなく洋型やデザイン型も人気で、念仏ではなく好きな言葉やイラストを彫刻される方も増えてきました。
<まとめ>
時宗は浄土宗から枝分かれした宗派の一つで、ただ念仏を唱えることが極楽浄土へと旅立てると教えを説きました。
人の善悪や外見に問わず、南無阿弥陀仏と唱えることが往生になるという、「他力念仏」が時宗の特徴。
また、今ではお寺の数が少ないものの、かつて室町時代にかけては国を動かすほど大きな宗派として栄えた歴史ある宗教だったのです。
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