「南無妙法蓮華経」という言葉が有名な日蓮宗は、この「法華経」を重んじている宗派です。
今回はそんな日蓮宗とはどんな宗派か、またお墓の特徴についてご紹介します。
日蓮宗とは?
日蓮宗は鎌倉時代に誕生した宗派で、「日蓮大聖人」が開祖です。
お題目の「南無妙法蓮華経」と唱えれば、誰でも成仏できる「即身成仏」の教えのもと、経典の中でも「妙法蓮華経(法華経)」を重んじています。
日蓮大聖人は、比叡山の延暦寺や高野山の金剛峰寺など、古くから仏教の聖地である奈良を中心に、15年間勉修を重ねてきました。
天台宗や真言宗など色々な宗派の教えを学んだ中で、妙法法華経こそが自身の仏教の真理であると考え、それを極めるために作ったのが日蓮宗です。
日蓮大聖人は「太陽のごとく明らかで蓮華のごとく清らかでありたい」と願いを込めて、自らを「日蓮」と名付けたとされており、混迷した世の中を正すために法華経の行者として人々に教えを説いてきました。
日蓮宗の葬儀について
日蓮宗は「南無妙法蓮華経」に法華経の功徳が全て入っていると考えられているので、葬儀でも頻繁にこの7文字を唱えて故人の弔いを行います。
日蓮宗の葬儀は焼香と数珠に特徴があり、焼香は導師が3回、他の一般参列者の方は1回だけおしいただきます。
また、数珠は菊房が2本のものが一つと3本のものが一つで、長い一連の形状が一般的。
日蓮宗は祈祷の際に数珠と木剣を組み合わせたものを鳴らしていたので、素材には丈夫な黒檀などを使うことが多いです。
ただし、もともと自分が持っている数珠があればそのまま使っても問題がなく、新しく買い直す必要はありません。
日蓮宗のお墓について
日蓮宗のお墓は和型も洋型もあり、特にお墓の形状に制限はありません。
また、竿石に彫刻する文字も「○○家之墓」の他、「南無妙法蓮華経」と刻んでいる場合もあります。
他にも「○○家之墓」の上に「妙法」と2文字を彫刻するスタイルも。
この「妙法」は法華経の教えで最も優れている仏の教えを表したものです。
ちなみに五輪塔の場合は、上から「南無」「妙」「法」「蓮華」「経」と5つに分割して、一つひとつに文字を彫刻することが多いです。
現在ではこれらに捉われず、好きな言葉を墓石に刻んだデザインのものも増えてきました。
しかし、お寺によってはお墓の形にある程度制限を設けている場合もあるので、不安な方はお墓を建てる前に菩提寺の住職様へ相談するのが良いでしょう。
<まとめ>
日蓮宗は「南無妙法蓮華経」の7文字を唱えることで、人々は救われ即身成仏ができると考えられています。
葬儀の際は焼香などのやり方に特徴がありますが、お墓は和型洋型問わず彫刻も好きな言葉を選ぶ方が増えてきましたが、中には菩提寺によってお墓の形を統一しているところもありますので、事前にご住職様に相談されることをおすすめします。